電磁波って心配じゃないの? |
便利便利なIHクッキングヒーター、でも『電磁波』の心配は? |
オール電化住宅でもっとも心配される点が、この電磁波です。一時、ある消費者
グループの発表で新聞にも載りましたが、IH調理器での電磁波の測定結果、
国際的な電磁波ガイドラインの測定が規定値を大幅に上回っているという
記事でした。しかしIH調理器を製造しているメーカーでは、規定値内で製作
していると発表しています。この実験自体が、ホットプレートに密着させての
計測であるのと、もっとも小さい鍋での(電磁波を発生するプレートがすべて隠れて
いない状態、外部に電磁波が漏洩しやすい)不利な条件での実験結果だからという
コメントです。また、測定されたポイントは調理器と鍋のすぐ隣での測定でした。
すなわち加熱調理中のコンロのプレートと鍋に頭や手を密着させるという通常の
使用法ではありえない条件下で測定されていました。
一般的な・標準的な使用方法であれば、ガイドライン(国際的な電磁界ガイドラインの
定めた安全な数値0.0625ガウス)を超えることはないといわれています。
それでもIH調理器は、生活環境・家電製品の中では「注目すべき比較的強い電磁波
発生源」になっています。
注:国際的な電磁界ガイドラインとは、ICNIRP国際非電離放射能線防護委員会が
1998年に発行したガイドラインのことです。
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IHだけじゃないんだよ、あれもこれも・・・電磁波が出ている便利な物たち |
しかし電磁波が出ているのは事実ですが、日本電機工業会では通常の使用では
家電製品から発生する電磁波が国内のガイドラインを超えることはないともコメント
しています。オール電化での電磁波を気にするのであれば、直接脳や体に接する
ドライヤーやホットカーペット、コタツや携帯電話また電子レンジ、ホットプレート、TVなど
電気を利用する電化製品はすべて電磁波を発生させます。また、建物の内部にある
電気配線やモーター、送電線などからも電磁波は常に出ています。当然体に心配に
なるはずですね。今見ているPC画面のモニターなんかも電磁波を発生して
います。(でも、さほど気にするレベルではないそうです。)よく、オフィスなどで
電磁波防止エプロンをつけているのを見たことありませんか?それは、電磁波が人体に
危険なものと判断され、長時間の使用には対策したほうがいいという判断だと思います。
(でも、専門家に言わせると、この電磁波防護エプロンはほとんど電磁波防護効果が
ないそうです。気休めの効果はあるでしょう、と。)
しかし、家庭内のIHの前で、仕事のように一日5時間も6時間も立ちっぱなしのことは
ないはずです。あくまで、IHの電磁波も日常生活の中の一つの電化製品と考えて
いただければ、このデメリットは、数多くのメリットでカバーできるのではないでしょうか?
(このメリット・デメリットの最終的な判断は皆さんが行うことになります。)
現在の生活の中では電化製品(電磁波の発生源)だらけです。それらをすべて除去は
できないはずです。これはよくて、これはダメといわれて、電磁波の健康影響が
心配なのであれば、無理にオール電化住宅にすることはないと思います。その代わり、
脳に直接当たる携帯電話やドライヤー、PCやTVなど情報収集や今の生活に不可欠な
ものも心配で使えませんね。
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あなたは気にする?気にしない? |
人体への影響としては、電磁波過敏症もあげられます。電磁波が原因でとは
まだ医学・科学的に証明されていませんが、少なくとも人によっては
日常生活に支障が出る方もいます。
シックハウス症候群や化学物質過敏症など、他の人よりもデリケートな
人は過敏に反応するケースが多いといわれています。対策としては、電磁波を
浴びる量を落とすしかありません。どこか、田舎の高圧線のないところへ行って
電化製品を限りなく少なくして生活する(もしくは全く電気のない生活をする)しか
ありません。これについては、私は資料を勉強しただけの専門家ではありません。
中にはもっと詳しく研究されている人もいますので、ネット検索すればいろいろ調べる
ことができると思います。
スウェーデンが比較的研究や発表が進んでいます。東京電力でも、「暮らしの
中の電磁界」というリーフレットも出しています。
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まとめ! |
「オール電化がいいよ」といって薦めている建築家や工務店は多いと思います。
それには、少なからずともメリットがあるからです。幸い、インターネット時代で
調べたいことはほとんどの情報が手に入ります。
(でも、インターネット利用で注意しなければならないこともあります。公開されている
情報が全て正しいとは限らず、情報の鵜呑みはできず、情報に対する判断力が
要求されます。)
他社さんの説明や、電力会社のHP、電磁波問題のサイトなど勉強になるもの
もたくさんあります。
私たち工務店レベルでは、この程度の情報しか持ち合わせていませんが、
専門的に調べられても興味深い分野ではないかと思います。また、実際オール
電化で立てたお客様のHPなどもたくさんあります。
やはり消費者のコメントや意見が一番参考になると思います。
当社では、この電磁波の話もお客様にわかりやすいように説明はしています。
話を聞いて、心配であれば従来の設備(ガス、灯油)での建築をお勧めします。
省エネをテーマに考えていますので、蓄熱暖房など深夜電力を有効利用する
暖房機などは、従来の建物(薄い断熱材の問題や気密性の悪さ)などでは、
熱が逃げやすく電気を逆に大量に使いますので、一概に絶対電気量を押え
られるとは言い切れません。また、むやみに電気化するのもお勧めしません。
きちんと考えられた、冷暖房計画や、適所配置など無駄なくきちんと計画されないと、
高い買い物になってしまいますね。
建物の性能が高い建築とオール電化の組み合わせであれば、今考えられる住宅や
建築ではベストな省エネ選択だと思います。
オール電化のシステムを当社の事務所でも体感(触る)ことができます。
IH、電気温水器、蓄熱式暖房など実際毎日使用しているものですので遠慮なく
お問い合わせください。やはり、触ってみるとまた考え方も変わると思います。
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最後に・・・
*色々なHPがありますが、以下もお勧めの一つです。
BEMSJの電磁波健康影響講座 http://homepage3.nifty.com/~bemsj/
*色々な本も有りますが、以下はそのお勧めの一つです。
お勧めですがちょっと高価なのと、工学部の学生などを
対象として書かれたのでちょっと難解です。
三浦正悦 著
「電磁界の健康影響 工学的・科学的アプローチの必要性」
A5判 288頁 定価3360円(本体+税)
ISBN4-501-32400-7 C3055
発行:2004年 出版:東京電機大学出版局
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