1.ホルムアルデヒドについて
シックハウス住宅の会話が出れば、必ず出てくる
「ホルムアルデヒド」。下をかみそうな名前ですが、
これは空気中にあふれているガス状の汚染物質です。
目・鼻・のどへの刺激作用が強い化学物質で、水に
溶けやすく、揮発性が高い物質です。
空気を汚すガス状物質は、他にCo、Co2、
ラドン、アスベストなどがあります。
これらのガスに対して、人間は殆ど抵抗力は
ありません。化学物質の昇華ガスや農薬等が蓄積
されると原因不明の疾病にかかります。また、肺に
取り込まれると全身に毒が回り食べ物として口から
入れるよりずっと人体には影響があります。
2.どこから発生するのか
尿素系やフェノール系のホルムアルデヒド合成樹脂の
生産に用いられる化学物質で、パーティくるボード、
繊維板、ベニヤ板等を生産する際の接着剤やクロス
(壁紙)接着剤として利用されています。さらに消毒薬や
防腐剤に使われるほか、しわ・縮みの防止加工をした
衣類にも私用されているそうです。湿度が高いほど、
放散量は増加します。
3.どんな影響があるのか
機密性の高い住宅の中で、空気中に揮発されたホルム
アルデヒドを吸い込んでしまうと目やのどが痛い、頭痛が
する、喘息発作が出る、アトピー性皮膚炎が悪化する
といった症状(シックハウス症候群)が出ることがあります。
また、常に基準値以上を吸収すると、アレルギー誘引物質
になったり、発ガン物質になると言われています。
厚生省でも、ホルムアルデヒドの室内濃度指針値として
「30分平均値で0.1mg/m3(0.08ppm)以下」を提案して
います。海外はもっと前から基準が厳しいです。
日本もシックハウスが問題になったから、空気汚染物質の
危険性が認識されてきたようです。
4.どうやって調べるのか
ホルムアルデヒドやVOC(揮発性有機物質)の室内気中
濃度の計測は大変微量であるため、高度な技術と精度
管理を要します。これら室内気中濃度は現場でサンプリング
飲みを行い、実験室化学分析を行う精密計測法と、
大まかな値ながら現場で結果を示すことが出来る簡易
計測法があります。
現場では環境計測器という、建材などの有害物質を計測
できるものが2万円前後で手に入ります。これはホルム
アルデヒド、Co2、Co、トレイン、キシレンなど計測したい
物質によって試験管を替える方式です。
5.どうしたらいいのか
その1:出来るだけ含有する建築素材や家具は使わない。
含有率の低いF1クラス(JASで決められている建材の品質等級)
の建材を利用する。
その2:計画換気する。高温になると揮発しやすいので、
特に夏季の換気を十分にする。室内の通気経路を常に確保
しておく。(24時間の計画換気であればもんだいはありません)
その3:ホルムアルデヒドの揮発性の高さを利用し、室内を
締め切り、エアコンを27℃以上に設定して、ホルムアルデヒド
を大量に揮発させ、一気に換気をしてしまうベイクアウト法が
効果的のようです。
6.今から住宅を考える方へ
これからの高気密、高断熱住宅は「計画換気」が不可欠です。
換気システムのない高気密住宅は、ゴミのビニール袋に入れ
られているようなものです。息苦しいし、においや汚れなども
気になります。
常に快適な住環境を求めるのであれば、適切な気密工事が
なされ、それにより換気計画の立てられる家がよいでしょう。
目安としては、必要換気量0.5回/hを満たしておけば許容
濃度程度に緩和できます。
ただし、人それぞれなので24時間換気システムをつけて、
なおかつ含有率の低い建材を選ぶことが大事になってきます。
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